「星を数えさせるためのハイエ」の解説

 五年前の発想、高校時代に起こったきっかけが、ついに小説として形になりました。人生の凝縮エキスみたいな作品です。さすがに面白いはずなので読んでください。

https://syosetu.org/novel/249461/






 当然のことながら、今回の作文は上記URLから読める小説のごりごりのネタバレ記事になるので、小説の方をまだ読んでいない人はそっちを先に読んで来てください。当然のことながら読む価値がある作品になっているのでぜひ読んでください。特に、最近流行りのモルカーが好きな人はぜひ。
 ちなみにぼくはモルカー全話視聴済みで、これを書いている今は、ゾンビ回であろう第6話を楽しみに待っています。……しかしモルカーが好きな人の大半は、モルカーを見る目に関して、ぼくとは気が合わないものと思います。
 それでは以下より、ネタバレ解説です。




















・ハイエって何者?

……作中にて女神を自称するハイエですが、知っている人は知っている通り、彼女の持つ特徴は、ぼくのいくつかの他作品に登場する「魔女」に酷似しています。
 実際、ハイエは魔女です。傲慢の魔女ハイエ、というのが彼女の正式名になります。が、設定として「本人はその呼び名を気に入っていない」ということが決まっており、作中の湊秋人とハイエの会話ではそれが明かされなかったため、彼女が魔女であることは明言されませんでした。
 ハイエの使える魔法の内容は作中で本人が語った通りです。そして魔女シリーズにおけるお楽しみ要素、魔女の名前の由来ですが……。
 今回は「ハイエンド(最高級)」が由来になっています。他の魔女よりもハッキリと「人間」を見下しており、それを隠す気もない彼女は、自称女神と書いて自称ハイエンドであるのです。自分こそが最も優れた存在だと信じて疑わず、それゆえに人間に対して優しい存在となっています。
 ハイエンドと言えばハイエンドPC等、機械に対して使う機会も多い単語ですが、いつかAIが人間を超えた日には、ハイエのように優しい存在になっていてほしいものですね。
 ついでに、主人公であると同時に「たった二人の登場人物」の片割れでもある湊秋人の名の由来ですが、これはセブンシンズの夏樹や千柚や設楽と同じく、大した意味なく決めた物になっています。
 ハイエが君付けで読んで馴染む名前で、なおかつ「苦悩を抱えたサディスト」である彼の雰囲気に合うように、男性感からは少し離れたネーミングをしました。サディストと男性感の組み合わせは火と油みたいなところがありますからね……。
 また、いわゆるコミュ障からはやや逸脱した意味でありつつもコミュニケーションに障害を抱える彼に「湊」という名前を付けたのは、Vtuberグループのホロライブ内で一番のコミュ障である湊あくあを由来にしたところもあります。
 なぜホロライブなのか。それは単に趣味であったり、セブンシンズの冒頭を思いついた時にホロライブの動画を見ていたから……という繋がりの理由であったりします。
 なお、「秋人」の方はなんか字面と響きがいい感じの物をフィーリングで選びました。頭の中にはバクマンがありました。




・魔女の担当ジャンルについて

……魔女シリーズはそもそも「エロ漫画みたいな小説(官能小説とは似て非なる物)が、ぼくにも書けるはずだ!」と、エロ漫画を読んでいた時に思い立って、最強のエロ漫画のヒロインを考案しようとした際に生まれたキャラクター概念です。
 エロ漫画のヒロインに求められる物、それは男性への都合の良さに他なりません。そうではない女性とのエッチは、それはエロ漫画ではなく、恋愛漫画の一部という扱いになるはず……というのが持論です。
 そこで生まれたのが「尽くす系ニマド」に登場する聖杯の魔女ニマドです。この作文の最後に貼っておくURLから上記タイトルの作品を読んでもらえれば、上述のコンセプトの具体的な形を感じ取ってもらえるはずです。
 しかし、結局「尽くす系ニマド」は、エロ漫画みたいな小説にはなれませんでした。友人から言われた「全然興奮できない」という感想にぼくも全面同意します。エロ方面への実用性は皆無です。
 その代わり……ということなのか、ニマド発案当初は予定していなかった「魔女のシリーズ化」が、ぼくの頭の中で始まりました。試行錯誤の末に今度こそエロ漫画的な小説を目指そうしたというよりは、これはこれで有用な設定だと気に入ったことがシリーズ化の理由だったように思います。
 ……という経緯があって魔女シリーズは生まれたので、その名残りとして、それぞれの魔女には「担当ジャンル」があります。
 例えば「眠姫ザロウと漆モズ」に登場する安眠の魔女ザロウは眠ることを愛し、眠ることで魔法を使用するキャラクターになっていますが、彼女の担当は「眠姦」です。
 エロ漫画的な小説の書き方は未だ掴めず、魔女の担当ジャンルが活かされることはあまりありません。むしろ彼女らは別ジャンルの役目を負うも多いですが、担当ジャンルの概念はあくまでも名残りなので、それで良いのです。優先するべきはキャラクターの担当ジャンルではなく、一作品全体の目指すべきジャンルだと思っているので。
 ところで、現在までに作品化されている魔女の担当ジャンルを一覧にすると、以下のようになります。

「カッセロ・ザロウ・イノベトラル・コハク・ヒヤナギ」
「SM・眠姦・乱交・言いなり・死姦」

 シリーズ化以前に作られたニマドは、単体で全てを処理するつもりだったので「全部盛り」になっています。
 さて、この流れで行くと「星を数えさせるためのハイエ」は、どのエロ漫画的ジャンルに属するのでしょうか? 特にコハクなんかが、魔法の内容と無関係に性格のみを理由としてジャンルを割り当てられていることからも分かるように、心が読めるというハイエの能力はジャンルに関係しません。
 自称ハイエンドであるハイエは人間を見下しています。人間のことを、自分の足元にも及ばないカスだと思っています。しかしそれ故に人間に優しいのです。弱くて脆くて手がかかるような、自分より圧倒的に劣った存在に対してこそ優しくなれる性格。そう、ハイエの担当ジャンルは……。

「カッセロ・ザロウ・イノベトラル・コハク・ヒヤナギ・ハイエ」
「SM・眠姦・乱交・言いなり・死姦・赤ちゃんプレイ」

 ……魔女シリーズの「闇」は濃くなっていくばかりです。



☆魔女登場作品リスト

・傲慢のハイエ登場……「星を数えさせるためのハイエ」
https://syosetu.org/novel/249461/

・聖杯のニマド登場……「尽くす系ニマド」
https://syosetu.org/novel/186976/

・被虐のカッセロ登場……「鎖付きアクアリウム
https://syosetu.org/novel/229967/

・安眠のザロウ登場……「眠姫ザロウと漆モズ」
https://syosetu.org/novel/233192/

・偶像のイノベトラル、偽証のコハク、魂魄のヒヤナギ登場……「oneフォルダsevenシンズ」
https://syosetu.org/novel/244282/

・作者のツイッター
@kinukawa1221