子どもの頃、Fate/stay night1期だと思い込んで見始めた物が、Fate/Zero二期だった。
音楽アルバムの宣伝動画なんかにあるクロスフェードという物が大好きで、片手で数えられるような本数しか見たことないんですけど、とにかくああいった物を自分でも作ってみたい! と思ったわけです。好きなので。
しかし、あえて「当然」という言い回しを使いますけど、当然、ぼくには音楽が出来ません。でもそのかわり文章を書くことは好きだし、自作の小説だって本数だけなら結構書いたという自負がある。……ということで、自作小説のセリフや地の文を切り抜いて、クロスフェードみたいな物が作れるんじゃないかと考えました。考えて、今まさにこの作文の中で実行しようとしています。
そしてある程度完成図を思い浮かべたところで、一つ気が付いたことがありました。……これは音楽アルバムのクロスフェードというより、Fate/Zeroの次回予告に近い物なのでは? だったらどうしたという話ですけど。
というわけで以下、ぼくの書いた小説のクロスフェード風の宣伝が続きます。URLも一緒に貼っておくので、興味が湧いた人は読みに行ってみてください。
・夏だ、海だ、負け戦だ。
……非モテ男子コンビがリアルの充実を求めて海に行く話。
「なあ、違うと思わないか。俺たちは本当にこんなところで、こんなことをしていていいのか?」
「……爆発したら、ガソリンでよく燃えるんだろうなぁ」
「あ、えっと、飯田正宗20歳です」
「絶対見つけような」
夏だ、海だ、負け戦だ。 - 夏だ、海だ、負け戦だ。 - ハーメルン
・尽くす系ニマド
……無職になった男と、無敵で人間じゃない女の話。
「消去法それこそが、否、それだけが正解なのだと、その時の彼は本気で信じていた。」
「そう、私は人間じゃない。魔女が君を助けに来た。……と言ったら、理解してもらえる?」
「わかったんだ。俺は、全然楽しくなかったんだ! 昔はもっと楽しかったのに、昔はこんなじゃなかったのに……」
・ある美術部員の青春
……「青春」に憧れる美術部員の話。
「部室で絵を描いていると、フライパンで作ったポップコーンを思い出す。」
「人を描けば、青春が手に入るんですか?」
・サイコキネシス文芸部
……性格がサイコな後輩男子と、サイコキネシスが使える先輩女子の話。
「蜜柑でね、人が死ぬんですよ。しかも密室殺人なんですよ」
「気になっちゃったんですよね。本当にその、……軽いのかなって」
「とっくに済んだ衣替えで半袖になった彼女に、「それ意味あるんですか?」と聞くのはもうやった。」
「「自分に嘘をつかない」という言葉の価値を、奈落に落とす人生です。」
・探究者たちのマッチ
……謎の空間に集められたヤバ性癖の異能力者たちが、訳も分からないまま戦わされる話。
「汝の性癖は、罪なりや?」
「変態だらけのテラスハウスってか」
「その理屈だと同性愛者を迫害するお前も圧死するだろ」
「俺の能力は公正だ! マッチョの不死はインチキだろ!」
「おれの願望は「百合の間に挟まれる」こと。そして、そこから生まれた異能力は、無から百合を生み出して、それを使役する力」
「早くこの空間から抜け出して美少女になろう。なぁ……!」
「けど俺はな、俺はな、……女性から愛されたいんだよ」
「愛してる!」
「愛してる!」
「愛してる!」
・恩返しの鳥類
……現代版、鶴の恩返し!
「もう! 鶴なんてウチでは飼えません!」
「では田中さん、これから飲みに行きませんか? わたしの奢りです!」
「お金ならあるよぉ!」
「いやそんなエロ同人みたいな恩返しはダメでしょ」
「清い心を失い、魔法使いになる資格も失った、ただスケベなだけのクズ野郎……。」
・もったいない闇医者
……若い女しか助けない闇医者が、かわいそうな女の子を助ける話。
「私はね、若い女をこの世から減らしたくないんだよ。人の命を救っていることの、何が悪い?」
「……君がこの話を断れば、その女の姿をした化け物はきっと誰かに殺されるだろうけど、それでもいいかい?」
「近いうち分かるさ。天才の発想に恐れおののくがいい」
・真実はくだらないところにある
……攫われた許嫁を取り戻しに行く、頭脳戦(?)の冒険譚。
「真実とは往々にして、想像よりくだらない物である」
「もしや、お前の名前は……」
「実は、俺はよく分からないんだ。見比べれば分かるのに、一方だけを見せられると、いつも咄嗟に答えられない。……これは恥ずかしいことなんだろうか」
「許嫁は許嫁でも、君のことを愛していない許嫁って、な~んだ?」
「- ドはドーナツのド 死は肉体の死 -」
・眠姫ザロウと漆モズ
……よく眠る死なない女子の目線から見た、捉え方によっては恋愛と呼べなくもない話。
「突然生まれて、最初から大人で、ずっと死なない。」
「見たいなら、見たらいい。そうでしょう……? 眠たくなったら、寝るみたいに」
「けれど、その心臓の高鳴りだけは好きになれなかった。眠ることは安らかでなければならない。ふわふわして気持ちよくて、生きているのか死んでいるのか分からないくらいに。」
「そう……? ……でもやっぱり、ぐちゃぐちゃも見たい?」
・ ロスト・ガーディアンスライム
……異能力を持った童貞と、人間に擬態して紛れ込んだ化け物が戦う話。
「いいですか、気をしっかり持って聞いてくださいね。……あなたの夫は、人間ではないのです。下半身で物事を考える化け物なんですよ」
「右クリック、左クリック、右クリック、左クリック、右クリック……左クリック……右クリック……左クリック……右クリック……左クリック……。」
「なんてこと言うんですか……差別ですよ。サディストにも人権ありです」
「何を言っているんですか! ほら見てくださいあれを、子宮ですよ子宮! どう見たって女性じゃないですか!」
「それで最近のぼくはいつも漠然と、いつかこの世界が滅ぶ気がしている。」
ロスト・ガーディアンスライム - ロスト・ガーディアンスライム - ハーメルン
・北の人魚が死なない
……友達に誘われて、食えば不死の力を得られるという肉を探しに行く話。
「近所に不審がられたら終わりだからね、くれぐれも頼むよ。……あぁそれと、お互い上着は脱いでおこう。返り血が付くかもしれない」
「取れた腕を持ち上げた春井は鼻歌を歌っている。」
「趣味というほどじゃないけど、やってみたくなったんだよ。それでまぁそう伝えると、彼女は「ん」って両手首を前に出してくれた。けれど僕は、あぁ違う、そうじゃないんだと言わなきゃならなかった。すると彼女は、今度は黙って後ろ手に手首を揃えてくれた。けど俺はまた、違う、と言わなきゃならなかった」
「何せ欠陥品が呼び寄せる危険は、当人だけの物とは限らないのだから。」
・ コスチューム・エックス
……コスプレ風俗店に勤める女性がとんでもないコスプレをさせられる話。
「男が女に「可愛い」と言う時、そこには必ず性的ニュアンスが含まれる。アイドルに言う時も、恋人に言う時も、いつも」
「つまり裸の女は1.0倍の魅力を持っており、着エロだのコスプレだのというのは、1.0倍の魅力では足りない、不十分だと主張することで始まる、失礼極まりない行為だということになる」
「男の頭の中には、自分の思い描く理想の女がある。実際は、特に風俗勤務の女とその客という立場にあっては、その理想を裏切った女は、そういった表情を向けられてしまうものだった。」
「……これ誰の服?」
コスチューム・エックス - コスチューム・エックス - ハーメルン
・oneフォルダsevenシンズ
……浮気を繰り返すクズ男と、その友人の話。
「七人なら、一日に一人と付き合えば一生上手く回せるだろ? これが八人になった途端崩れる。だから今の人数が限度、お前とは付き合ってやれないんだな」
「少しでも偽物らしい方を自分の趣味に付き合わせようってやり方は、あいつにしては結構頑張って出した結論だと思わないか?」
「千柚は夏樹君や他の女より、泥の人形に幸せになってほしいんだね」
「例えばこいつは、ここで裸になれと言われればそうするし、舌を噛み切れと言われれば噛み切ってしまう。……おい、言ってないからな。言ってないぞ」
「幼なじみだかなんだか知らないが、人の生き方を勝手に変えられると思ってるような傲慢な馬鹿は、アンタだけだよ」
「生きがい!」
「クズばかりが生きている世界に帰る意味って、あるんですかね……?」
oneフォルダsevenシンズ - oneフォルダsevenシンズ - ハーメルン
・勇者はオナニーがしづらい
……気の抜けた空気感で臨む、打倒魔王の旅!
「うおおおおおおおおッ!!!!!! アンダースロウ斬!!」
「もっと言うと、国民の血税が、今日はじねんじょに変わった。」
「利き手の方はあまり使わなかったんですよ。そっちはパソコンとかスマホとか操作するのに使うので」
「(魔王軍幹部がドラゴンボール読んでんのかよ……!)」
勇者はオナニーがしづらい - 勇者はオナニーがしづらい - ハーメルン
・星を数えさせるためのハイエ
……醜い欲望と、それに相反する良心の話。
「試しにこうしてみれば、私のことがただの道具に見えたりしない?」
「そっちは「人間扱いされていない」と思うかもしれないが、こっちからすればれっきとした人間なんだよ!」
「人はね、他の人が自分と同じ「人間」だってことが、分からないんだよ」
「あの頃の俺はもう死んだ。死にたいと願う間もなかった。」
「湊くんは、セックスが楽しくないんだね」
星を数えさせるためのハイエ - 星を数えさせるためのハイエ - ハーメルン
・アンダーライン×アンダーライン
……人間とサキュバスが共存する世界で同棲する二人の話。
「地上三階の窓からパンツと月が見える。」
「六時間もの間、喉を切り裂かれた人間が息絶えるまでに受ける物と同じ苦痛を浴び続けて、彼女の喉は傷跡も見えないくらい完全に元に戻った。」
「チャンスを物に出来ないっていう意味じゃなくて、もっと根本的な、性格の問題♡」
「それはその、……こう、あれだよ、だから……後ろの方をだな」
「される側の苦しみが少しは分かった?」
「お願いです。私のことだけを愛してください」