ウィッチデュエルパンプキン2というカードゲームが面白すぎる。

 前回の作文でも紹介したタイトル通りのスマホゲームですけれども、これがマジで面白いので詳しく紹介することにしました。より正確に言えば、面白いのに遊び相手がいないので宣伝することにしました。

 ウィッチデュエルパンプキン2(略称パンプキン2)は戦いながらデッキを作るカードゲームです。普通カードゲームといったら、あらかじめ作っておいたデッキを各自持ち寄って戦うものですけど、パンプキン2は違います。ほぼ手ぶらで開戦し、戦いの中でデッキを作るのです。

 まずは実際のカードを見てもらって、そこからルールを解説していこうと思います。

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 はい、まずカード下にある青い円の中の数字、これは「ゲイン」です。カードのデザインからなんとなく察せる人もいるかと思いますが、このゲームにはいわゆるマナの概念があります。マナというエネルギーを使って、クリーチャーを召還したり呪文を唱えたりするわけですね。

 このゲームのマナ(ゲーム中では魔力と呼ばれる)は、自分の手札を捨てることで得る物になっています。そしてこの「ゲイン」という数字は、捨てた時に生み出すマナの数を示しています。

 つまり画像の幽霊船長は捨ててもマナを生み出せないカード、場に出すこと専用のカードです。こういったカードとは逆に、場には出せないが大量のマナを生むカードもあります。それらを組み合わせて戦っていくわけです。

 はい、では次。右上の数字。これは「コスト」です。コストに等しい数のマナを支払うことで、そのクリーチャーを召還したり、その呪文を唱えたりすることができます。これはマジックザギャザリングやデュエルマスターズにもあるメジャーなルールですね。

 そして次です。これがこのゲーム最大の特徴、左上の数字。これは「レベル」です。冒頭で「戦いながらデッキを作る」と言った通り、プレイヤーはこの「レベル」に等しい数のマナを支払うことで、サプライという場所(いわゆる銀行のような物)からカードを買うことが出来ます。

 買ったカードは当然デッキに入るので、既存のゲームではマナを消費する行動といえば「カードを使うこと」だけですが、このゲームではもう一つ「カードを買うこと」にもマナを使うのです。これが面白いところ。

 で、残す数字は右下の物ですが、これは攻撃力と体力ですね(左が攻撃、右が体力)。これについてはマジックザギャザリングを知っているとわかりやすく、なんならシャドバでもルールを理解する下地にはちょうどいいんですけど、今回はあまり説明に絡んで来ないので詳しい解説はスルーします。

 実際のカードを見てもらう段階は終えたので、次はルールについてもっと詳しく解説していきます。

 

 

 パンプキン2は全てのプレイヤーが必ず、「黒猫」3枚と「魔力の種」5枚の、計8枚のデッキを持った状態でスタートします。何をどうしたってこのスタートは変わりません。

 黒猫とはコスト1、ゲイン0、攻撃&体力1/1のいわゆる弱小クリーチャーです。一方魔力の種は、ゲイン1……ということ以外に何のステータスも持たない、マナを生み出すためだけのカードです。

 手札を捨てると、捨てたカードのゲインに応じたマナが手に入る。つまり魔力の種を1枚捨てれば黒猫が1枚場に出せるわけですが、正直そんな弱小モンスターばかりいつまでも並べているわけにはいきません。かといってあまりにも黒猫を軽視しすぎると痛い目を見たりはしますが……。

 魔力の種がデッキに5枚もあるので、間違いなく序盤はマナが余ります。その余ったマナを使って、サプライからカードを買い戦っていくのです。そこで重要になってくるのが、サプライは自分と相手で共通の物を使うということです。

 要するにお互いが、「この試合で登場する可能性のあるカードはこいつらだ」ということを、試合開始早々に把握することになります。そしてさらに、サプライの中身はランダムで決まります。これが面白いんです。

 サプライには計18種類のカード(そのうち数種類は毎試合必ず入ってくる基礎カード)しかないので、どのカードを使っていくべきなのかという、作戦を練ることができます。

 例えば「全クリーチャーに2ダメージ与える」という呪文があるのを確認すれば、体力2以下のクリーチャーはいくら並べてもそれで一掃されてしまうから今回はあまり強くないなぁだとか、体力が多く壁役になるクリーチャーばかりが揃っていたら、これは長期戦を覚悟した方が良さそうだな、だとしたらレベルは高いけどいずれはあのカードが欲しいな……といった具合で「作戦を練る」という楽しみがあるのです。

 そして、独特なルールはそれだけにとどまりません。このゲーム、なんと自分のターンが終了するたびに、自分の手札が全て墓地へ送られます。さらには得た魔力なで、ターン終了時に全て失います。手札もマナも、温存という概念がありません。そして手札に関しては、次の自分ターン開始時に5枚引いてきます。これを繰り返していくのです。

 すると当然、マッハでデッキがなくなります。ゲーム開始時のデッキ枚数なんか8枚ですから、2ターンで場か墓地に全てのカードが行ってしまうわけです。そうなるとその後どうするのかというと、墓地にあるカードを混ぜて再びデッキにします。山札が切れた時のUNOのようなイメージでしょうか。あるいはヴァイスシュヴァルツか。

 そういうルールなので、ターン開始時の手札が必ず5枚になるということは、ゲインの大きなカードを買わなければ、一生高レベルのカードは買えないという性質があります。魔力の種がいくら増えたところで、それではレベル6以上のカードは買えないのです。もちろん毎試合必ずサプライの中にあるカードには、ゲインの数が大きいカードもあるので、そういったカードも将来を見据えて買っていくことになります。

 そんな他に類を見ないゲームテンポが魅力であるパンプキン2ですが、最終的には相手プレイヤーのライフを0にした方が勝利という、勝利条件自体はシンプルなゲームです。それがまぁものすごく面白い。

 ルールは大体説明したので、これで半分ほどでも伝わっているかは自信がありませんが、とにかく次の話へ進もうと思います。カードゲーマー向けの話になってしまうかもしれませんが、このゲームの魅力についてのことです。

 

 

 パンプキン2最大の魅力。それは、環境という概念が試合単位であること。

 普通、カードゲームには「環境」という概念があります。そっちの方が当たり前なんですけど、各々が事前に選別したカードでデッキを作り、それを持ち寄って戦うわけですから、よほどの奇跡が起こらない限り「このタイプのデッキが頭一つ抜けて強い」という物の一つや二つが必ず出てくるわけです。その「強いデッキたち」のことをまとめて環境と呼びます。

 しかしどんなカードゲームでも、あまりにも同じ環境で戦い続けるとさすがに飽きが来ます。そこで新しいカードが発売され、新しい環境が生まれて、再び新鮮な気持ちで遊べるようになる……というサイクルがカードゲーム業界で常に行われているわけです。

 その常識ともいえる流れとまったく別次元を行っているのがこのパンプキン2。ランダムで選ばれたサプライからカードを買うルールなので、「環境」が毎試合変わります。これがすごいことで、サプライの組み合わせによって単体では同じカードでも強さがまるで違ってきて、毎回新鮮な気持ちで遊べるんです。一期一会のいいところだけをもぎ取ってきたような良さがあります。

 わかる人に伝わる言い方をすると、戦略性が足されたトッキュー8やシールド戦です。そう聞くと大したことなさそうですけど、何回か遊ぶと字面では伝わらない良さに気付くと思うので試してみてください。 

 

 

 

 

 

(聞いた話では「ドミニオン」というボードゲームとカードゲームの間のようなゲームが、パンプキン2のサプライ関連に近い性質を持っているらしいのですが、完全な未プレイなので話題には出しませんでした。むしろ誰かドミニオン紹介してください)