夢日記。鳩羽つぐ。

・夢のあらすじ。

……夢に鳩羽つぐが初登場。魔法少女となった彼女が地球に攻め込んできた悪い宇宙人と戦う内容の映像を二時間見続けた(時計などを見たわけではないが、なぜか映像が二時間あったと認識していた)。

 視聴後、映画のような単発長編だと思っていたそれが1クールアニメの第一話にすぎなかったことが判明する(なお、この時より以前では鳩羽つぐの映像を「映像」とは認識しておらず、第三者視点で現実を見ているような気分だった)。同時に、各話に飛ぶサムネ付きチャプター選択画面が現れたため今まで自分が見ていたものがDVDだったということも判明した。

 あまりのボリュームと、第一話の印象とはかなりイメージの違う各話のサムネ(きらら系っぽいかわいらしい絵柄で、特に真ん中あたりの話数で湯船につかる鳩羽つぐが目を引いた)に驚きつつ続きを見ようとしたところ、リモコンを押しても画面が上手く操作できないようになり、ついにはフリーズからのブラックアウト。こんなテレビと再生機器じゃダメなんだとキレながら視聴を断念。

 DVD再生機は視界に入らなかったが、テレビの幅は両手を広げたくらいと中々の大きさがあり、本体の構造はブラウン管の奥に今どきの液晶があるような、新旧融合体のような現実には存在しない独特の物だった。ブラウン管の画面からその奥に見える液晶画面までは広い空白の空間があったが、空白空間の淵は黒く、何のための空白なのかはテレビ含む機械に詳しくないので不明と認識していた。

 

 

・夢の内容についての詳しい話1 夢で見た映像内での「鳩羽つぐ」について。

……現実において初めて公開された動画と同じように、鳩羽つぐはどこかの学校の制服と思わしき衣装を身に着けていた。これは二時間の映像内で変化することがない。

 設定としては、見た目こそ現実の動画#00での彼女と変わらなかったが、まず今回の夢における「鳩羽つぐ」は人間ではなかった。また、以下で語る映像内では鳩羽つぐを含むすべてが、3Dモデル等ではなくアニメ絵のような作画となっていた。特徴がないのが特徴というような絵柄で、雰囲気を実在するアニメに例えることはできない。

 この夢の中では、人混みの激しい街に父親と出かけた際にはぐれて迷子になってしまい、原因は不明だがなぜかそれを契機に人間ではない「何か」になってしまったという過去を持つ鳩羽つぐ。彼女は幼い見た目に反して少なくとも10代後半程度の精神年齢を持っていることが映像内の心理描写から見てとれた(ただしその心理描写の内容は、確かに夢の中で見たはずなのに目が覚めたあとは全て忘れてしまっている)。

 人間ではなくなった鳩羽つぐは「彼女自身が迷子になった街で、親とはぐれて迷子になった子どもの前に現れて一緒に親を探してくれる存在」となっていた。逆に言えば迷子の子ども以外の前には現れない存在であり、「あの女の子が一緒に探してくれたの。ほら」と子どもが再会した親に鳩羽つぐを紹介しようとしたところ彼女の姿はすでにそこにはなく、少し離れた空間(詳しい位置は不明。異空間的な場所である可能性も)から親のもとに送り届けた子どもを優しく、そして羨ましそうに見つめるシーンがあった。

 また、本人の声でナレーションのように流れる大人びた心理描写から、鳩羽つぐが「そういう存在」になってからかなり長い期間が経っていることも伺える(ただしその声は「鳩羽つぐの声でナレーションが流れている」とぼくが認識していただけで、実際に夢という形で脳内再生されていたわけではない。もしくは目が覚めた時には夢の中での彼女の声を忘れていた)。

 この夢の中での鳩羽つぐは精神的に危うい部分があるらしく、それに至る条件は不明だが、突然父親とはぐれた時の記憶がフラッシュバックして「パパ行かないで……!」と泣きじゃくり幼児退行する場面が何度もあった。

 「そういう存在」である彼女の性質上、実際に泣きじゃくる彼女を認識している人間は一人もいないので、明らかに平常ではない幼女を無視して通り過ぎる冷たい人間の群れが第三者目線からは見えることになる。その時に個人的な意見だけれど、昨今の「不審者扱いされたくない」という意識から子ども含む他人に不干渉になる人間の意識が、この夢における鳩羽つぐのような存在を生み出す原因になったのではないかと感じた。映像はその考えを肯定することも否定することもない。

 映像の終盤、夕方の街で唐突に鳩羽つぐの父親が現れる。さあ、もう帰ろうと父親に手を差し伸べられて、その手を握って彼女は雑踏の中に消えていく。しかしこの時点ですでに、彼女は「それ」が父親ではないことを察知していた。なぜ察知できたのか、その理由は第三者目線からはまったく把握できない。

 帰ろうと言うのに、なぜか大型スーパーに向かいエレベーターに乗る父親を名乗る存在。鳩羽つぐは不意に握っていた手を振りほどき、日本刀を何もない空間から出現させて、それを振りぬき父親の指を切り落とした。

 指からは鮮血が噴き出し、エレベーターに同乗していた一般客たちが悲鳴を上げて後ずさった。少し間をおいてから、激痛に悶えるような悲鳴を上げて、父親を名乗っていた存在の頭部が紫色のアメーバのような形状になり、首から下と分離して逃げるように密室のエレベーター内を跳ね回りだす。

 「パパの真似をするな!!」とものすごい剣幕で鳩羽つぐが怒鳴り、刀でアメーバ状の生物を壁に突き刺した。アメーバはぐったりとして息絶え、目的の階にたどり着いたエレベーターは扉を開き他の客が一目散に逃げだした。

 血の付いた刀を引きずるようにして、途方に暮れたような遅い歩みでエレベーターを降りる鳩羽つぐ。刀とは対照的に、白い服に返り血は一切ついていなかった。そしてエレベーターの扉が閉まると、どこからともなく可愛らしい声が聞こえてくる。

 きっと声の主はマスコット的な見た目をしているのだろうと推測できるその声は、彼女の名前を呼んでいた。「つぐちゃん、聞こえる? 聞こえていたらこっちへ来て」。

 声に吸い寄せられるようにスーパーの中を歩いていくと、なぜかだんだんと周囲の景色が暗いトンネルのようになっていく。さらにいつの間にか鳩羽つぐの頭上斜め上には光の球体が出現しており、声はそこから聞こえててきていた。

 光の球体がトンネルを進んでいくので、それを追うようにして黙々と歩く鳩羽つぐ。そんな彼女に対してトンネルの中には声が響く。人の姿に化ける悪い宇宙人が今地球に攻め込んできたこと、鳩羽つぐにはそれを倒すための魔法の才能があること、世界を守るために声の主は彼女の協力を求めていること。歩きながらそれらの説明を受ける鳩羽つぐ。

「お願い。魔法少女になって、つぐちゃんの力を貸して!」

 そう言われた彼女は、ピンクのフリルがついた可愛らしくもいかにもといった感じの衣装をまとっている自分を想像していた。

 ……映像は、ここで一旦終了する。

 

 

・夢の内容についての感想。

……理由や原因が語られないことの多い話で、特にホル・ホースの皇帝のように突然日本刀を取り出したシーンでは目が覚めてからなんだったんだあれはとしみじみ驚いたが、夢の中の自分は「意外な展開だ。疾走感があって面白い」くらいにしか思っていなかった記憶がある。

 あらすじに書いた通り映像のあとぼくは「続き」の存在を知るわけだけれど、きらら系のサムネを見た時の驚きは夢の中でも起きたあとでも同じだった。特に目を引いた鳩羽つぐの入浴シーンについては「え、家に帰ったりするの……!?」という理由で注目してしまった。怪異的な存在となってしまった彼女は不老不死でなおかつ、いわゆる「生活」とは無縁だと無縁だと思っていたから。

 鳩羽つぐの人間らしい生活はあまりにも多くを語らなさすぎる今回の夢の中での映像において語られていなかっただけなのか、それとも魔法少女となった彼女が生活を取り戻すのか。非常に続きが気になる。そもそも魔法少女になることを拒否する可能性も無いわけではなく、またサムネにはまったく見覚えのない「新キャラ」らしき幼女も映っていたので興味が止まらない。

 魔法少女となった彼女が新たな生活を初めてきらら系の絵柄らしくほのぼの暮らしていくのか。もしくはそれを拒否した彼女が別の方法でほのぼの暮らしていくのか。そうなった場合、一話と打って変わってジャンルがまさかの日常系となる奇をてらった展開となるのか。それともサムネは詐欺であって、魔法少女&正体不明のマスコットっぽいやつというイメージからまどマギ的な話が展開されるのか。もしくはがっこうぐらし的な話が展開されるのか。それともまさかの、ほのぼのアニメ的な要素と詐欺アニメ的な要素の両方を併せ持つ未知の挑戦的なアニメが待っていたのか。妄想も止まらない。

 夢はたまにこういうことがあるから本当に良い物だと思う。怖い夢でもこれくらい楽しければ良し。ぼくの脳みそがこれからも面白い夢を見てくれることを期待しよう。

 

 

・夢の内容についての詳しい話2 元ネタについて。

……今回の夢は、現実で見たこと聴いたこと感じたことが元ネタとなっている部分が数々見受けられた。メモ的な意味合いが強いが、それらを思いつく限りここに書き残しておく。

 1、「鳩羽つぐ」

 ……言わなくても明らかなように同名のバーチャルユーチューバー……という括りにしていいのか微妙な存在が元ネタ。ただし今回の夢を見る以前に特別印象に残る鳩羽つぐを目にしたことはなく、なぜこのタイミングで夢に現れたのかは不明。夢に現れるのは今回が初で、今までかなり気に入ったイラストや新作動画を見たことはあったのに。

 また、彼女の武器が日本刀だった理由はまったくの不明。そもそも突然武器を取り出す能力をなぜか初めから持っていた理由もわからない。ホル・ホースのことだって夢を見たことによってかなり久しぶりに思い出した。美少女と和風の武器という括りだとレヴュースタァライトが記憶に新しいが、あれはナギナタだった。そして特別推していたわけでもない。もちろんぼくが元々刀が大好きってわけでもない。謎である。

 ところで、つぐちゃんの30分映像をお金払えば見れるらしいんですけど、お金がありません。でも夢で二時間タダだったのでオッケーです。

 2、「鳩羽つぐの設定」

 ……創作においては個人的に病んだ女の子(決してステレオタイプヤンデレではない)が好きな傾向がある(自作小説とかそんなのばっか)ので、父親とはぐれたことがトラウマとなっている設定は完全に趣味を反映したものと思われる。また、本来の鳩羽つぐは「誘拐されているのではないか? とも言われる独特の暗い雰囲気をまとった動画」を投稿している存在であるので、親と離れ離れになって戻れないという設定はそこから汲んでいると思われる。

 人間ではない存在となった彼女の性質はどことなく妖怪を彷彿とさせるが、この夢を見る直前の夜、隣の部屋で父が見ていた第6期ゲゲゲの鬼太郎の音声が聞こえていたので、もしかするとそれが関係しているのかもしれない。映像を見ていたわけでも音声に特別興味を引かれたわけでもなく、特に印象には残らなかったはずなのだけれども。

 なお、映像の内容を説明する時にはテンポと流れを重視した結果語るべきタイミングを逃したことだけれど、鳩羽つぐが人間ではなくなってしまったことの描写には「迷子以外には見えない」ということの他にもまだいくつかある。例を挙げると、太陽の光が照りつける街においても夜のネオンが光る街においても、いつでも同じように幼い少女の姿をした彼女が一歩引いた場所から人混みを眺めているシーンは印象的だった。

 ただしそのような印象を与えてくる描写が多かった反面、「迷子以外には見えない」性質のある彼女が「迷子の前に必ず現れる」ことは「そういう存在」としての性質の一部だったのか、それとも彼女自身の努力による結果なのか、またあるいは描写されなかっただけで見落としてしまった迷子もいたのか、仮に迷子の前に必ず現れたとしても今度はその子の親を見つけることが性質によって保障されたことなのか否か……といったような実際的な描写は皆無で、とにかく言葉で「説明」をしてくれることがない映像だった。

 ちなみにこれもまたテンポを優先して言いそびれた話なのだけれど、ここだけの話、鳩羽つぐの設定については全て「ぼくが映像を見て認識したもの」だったりする。親切な説明のない映像からあれだけの情報を読み取れたのは、きっとそれがぼくの夢であったからだろう。夢の中ではなぜか理解しているはずのないことを理解していたり、ありえないようなことに当然のように順応することがよくあるから、今回のことも「いつものそれ」なのだ。夢とは不思議なものだ(小並感)。

 3、「迷子になる街」

 ……映像の舞台となった街では時々迷子が発生していて、そのたびに鳩羽つぐが迷子の子どもを親のもとに送り届けている。つまり時々と言える程度のペースで迷子が発生しているのである。

 確信できる描写はなかったけれど、その街はおそらく秋葉原のことだと思われる。理由は漠然とした街の雰囲気と、数度しか行ったことはないけれどぼくが迷子になりやすい場所であるということ。ただしぼく自身は親と秋葉に行った経験はないし、全ての場合においてちゃんと自力で駅まで帰還している。秋葉に大型スーパーがあるのかどうかは知らない。

 4、「きらら系っぽいサムネ」

 ……つい最近となりの吸血鬼さんを視聴したことと関連がないとは言い切れない。となりの吸血鬼さんはきらら系列の雑誌に載っているわけではないので、「きらら系」ではなく「きらら系っぽい」という言い回しをする理由はそのあたりから察してほしい。

 となりの吸血鬼さんに関しては「月曜から夜ふかしスペシャルがあるせいで録画枠が足りない」という事情からリアルタイムで見たのだが、その時のお茶の間には父もいて、萌えと無縁の価値観で生きる父親とあのアニメを見ることになったことが記憶に新しくなおかつ強烈に印象に残っている。

 5、「人に化ける宇宙人」

 ……目が覚めたあと、チャージマン研を真っ先に思い出したというサイドエピソードがある。ここ最近でチャー研を見かけたことはまったくなかったが、あれはもともと印象深い物なのでなんとも言えない。それと頭部だけが宇宙人の本体で首から下は擬態するためだけの物という性質上、どことなくケロロ軍曹を思い出さないこともない。

 6、「光の球体」

 ……夢の中での自分がそれを見た時、なぜか即座に「最近ロックマン11の実況で見た、8方向に弾を飛ばす敵」を連想したので、いかなるツッコミどころがあろうともそれが元ネタと見てほぼ間違いない。

 7、「機能停止するテレビ」

 ……最近、あるいはしばらく前から、現実において我が家のテレビリモコンの調子がよろしくない。強く押さないと反応してくれないのである。夢の中では強く押した結果機能停止してしまったけれど、現実で同じことが起こったら間違いなく夢と同じようにキレる。やっぱり買い替えなきゃダメなんだ!って。金も持ってないのに。

 

 

 ……思いつくことはこのくらいだろうか。書くことは書いたので、今回の夢日記はこれにて終了とする。次回に続かないとは言い切れない。