新機種一本目のマリオパーティは駄作説
この作文が書かれたおよそ一か月後に、今回の作文で言ったことを撤回する内容の続編が書けたので、ここにお知らせとしてそれを置いておきます。この作文の終わりにももう一度置いておくので、この作文もその続編も全部読んでください。
※以下の文中に出てくる、「vs4のミニゲームにおいて得られえるコインの枚数」は、
1位……10枚
2位……8枚
3位……4枚
4位……0枚
というのはぼくの勘違いで、間違った記述でした。正しくは、
1位……8枚
2位……4枚
3位……2枚
4位……0枚
でした。
ただし、2vs2や1vs3でコインがばらまかれることもあり、コインミニゲームなどの存在も相まって、コインが異常に余るというゲーム性の説明自体に間違いはありません。スター1個と最強のアイテム1つがどちらも10コインで手に入る環境において、1ゲーム中に4人のプレイヤー全体に配布されるコインの総数が200を超えることは確実です。
以前ぼくは、桃太郎電鉄やいただきストリートとはまた違ったジャンルとなる、ミニゲーム搭載型すごろくについて長々と語ったことがある。
(文字量が無駄に多いので今から読む人はいないと思われるが、一応下にリンクを貼っておく)
約5万文字となった全三編の作文が、はたして5万文字にふさわしい内容を秘めていたのかというと、残念ながらそんなことはない。じゃあなぜ長いのかと言われればただ文章を書くのが下手で「お話しが長いよー」となってしまっただけなのだけれど、それはともかく。
その長ったらしい作文の最後に、ぼくは大体このようなことを書いて締めくくっていたと思う。
「頼む! ニンテンドースイッチで出た新作のマリオパーティよ、どうか面白くあってくれ……!」
我が家は年末年始のどこかでスイッチを購入する予定だった。だからあの時は祈るしか出来ることがなかったのである。実際に遊んでみて、真実をたしかみてみろ!することはできなかった。
が、事情が変わったり変わらなかったりなんやかんやあって、なんとつい数日前に、ニンテンドースイッチと新作マリオパーティは我が家にやってきた。慌てんぼうのサンタクロースよりさらに先を行くスケジュールの繰り越しだ。嬉しい誤算なのでこそれは良いことだった。
問題はそう、新作マリオパーティの出来の方である。スイッチ本体もソフトであるマリパも同時に購入したのだから、まだ初めの1マップだけとはいえ、当然すでに心置きなく新作マリオパーティをプレイした。
サプライズ的に購入が早まったことでテンションも上がっていたのか、プレイ時は「ちゃんと面白いだろうか……?」という不安より、単純に新しいゲームで遊ぶわくわくの方が強かった。が、冷静になればなるほど、改めて考えれば考えるほど、今回のマリオパーティはクソゲー……どころか、マリパ8の時期から見て「過去最低」とさえ言えるのではないか、という説がぼくの中で確信に変わりつつある。
新作マリオパーティもとい、スーパーマリオパーティがどんなゲームなのか、最初の1マップを遊んだだけの感想だけれど、まずはそれを書いていこうと思う。
・ルールについて。
……全員で同じ車に乗り運転手を交代しながらポイントを集め合ったり奪い合ったりしていたマリパ9と10……とは打って変わって、今作は全員がばらばらに動いてまずはコインを集め、そのコインを使って「スター」というポイントの獲得を目指すマリパ8仕様のルールに戻った。なので当然9と10とは違い明確なゴールはなくなり、ターンの経過によってのみゲームが終了するようになっている。
マリパ8との主な違いは以下の通りである。
☆通常サイコロが10面から6面になった。
☆キャラクターごとに出目の配置が異なる独自のサイコロ「キャラサイコロ」を全員が常備。
☆使用後に相手とすれ違うことで効果が発動する類のアイテムは削除。
☆「仲間を呼ぶ」という概念が生まれた。
☆アイテムやスターの値段が全体的に安くなり、反対にコインの供給量は増加傾向。
これらの変更点がゲームにどう影響してきているのか、何度も言うようにあくまで1マップを1回遊んだ感想だけれども、それでもわかる限りで説明していこうと思う。
・ゲームバランスについて。
……それぞれの変更点を軸に説明していこうと思う。まずは、
☆サイコロが10面から6面に。
これについては悪くない。出目の平均が10面に比べれば大幅に低下する分ゲームスピードは当然下がるが、振れ幅が小さくプレイヤー間での差が開きにくい調整は悪くない。
☆キャラサイコロという概念。
今作の特に目新しい要素。この要素により、前作まではプレイヤーがゲーム開始前にそれぞれ選ぶキャラクターなんて「見た目が違う駒」といった物だったが、今作では「見た目も性能も違う駒」となった。キャラ性能の概念が生まれたのである。
これは目新しさもあって、初見としては愉快に見える要素だったが、前回の作文の中編にて上げたドラえもんすごろくのことを思えば、キャラ性能という概念が生まれたこと自体にはかなりの警戒心が生まれてしまう。じゃんけんでキャラを取り合うことにならなければいいが……。
キャラサイコロとはどういう物なのかというと、具体的にはこんな物がある。
「ヘイホー……6面中の5面が全て出目「4」となっている。ただし残る1面の出目は「0」」
「テレサ……「5」と「7」の出目が2面ずつ配置されており、残る2面は「コイン-2」(出目「0」にコインを2枚失うデメリットも付く)となっている。」
「クッパジュニア……「1」が3面、「4」が2面、「9」が1面のサイコロ」
これらのキャラサイコロは先にも言ったように「常備している」ので、自分がサイコロを振る時にいつでも、何回でも使うことができる。
が、ところでこのキャラサイコロを見てほしい。
「チョロプー……「2~6」の5面分の出目は通常のサイコロと同じだが、通常サイコロの「1」に当たる部分が「コイン+1」(出目「0」にコインを1枚得るメリットが付く)となっている」
このチョロプーのサイコロがどういう物なのかというと、つまるところ「1のかわりに0が出る通常サイコロ」とほぼ同義なのである。
前回の作文中編にてぼくはマリパ8のことを、こう説明していたと思う。
「大きな出目を出せば出すほど、前に向かって走れば走るほど有利なゲーム性だが、ミニゲームの勝敗が出目に直結しないので運の要素が強すぎる」
マリパ8に近い仕様となった今作も当然ながら、大きな出目を出してすごろくのマスを前へ前へと踏み進んでいけるかどうかが、勝敗を分けるかなり重大な要素となっている。
はっきり言って、コイン1枚が出目「1」と釣り合うことはない。前に進むことの方が遥かに重要なのだ。逆にコイン1枚を支払えば追加で1マス進める能力のキャラなんていようものなら(実際はいないが)そいつは強すぎてバランスブレイカーとなるだろう。
キャラを4人挙げたことから察してもらえる通りこれらは初見のプレイで我が家のプレイヤー4人がそれぞれ使ったキャラとなっているわけだけれど、この時点で一部のキャラ性能に大きな差があることは判明した。
とは言っても、まだドラえもんひみつ道具王決定戦におけるドラえもんとジャイアンを彷彿とさせるほどぶっ壊れキャラは見つかっていないので、これ以上に大きな性能差がこのゲームの中に眠っていないことを祈るばかりである。
☆使用したターンに相手とすれ違うことで効果が発動するアイテムの削除。
前作において「運ゲーの加速」と「瞬時に不発と判明することでの単純な盛り下がり」の二重苦となっていたこの要素は削除されてよかった。……と言いたいところだが、まさかぼくも、それらのアイテムを恋しく思う日が来るとは思わなかった。
使用できる機会が限定される上に不発もあり得て、ランダム入手のくせにアイテムごとの性能バランスもガバガバになっていたクソシステムがなぜ恋しくなるのか。それは、削除された分追加されたアイテムが、さらにクソだったからである。
詳しくは後述するが、とりあえず初見プレイで確認できたアイテムは以下の通り。
「キノコ……サイコロの出目を+3する」
「金キノコ……サイコロの出目を+5する」
「毒キノコ……相手一人の出目を-2する」
「ゆっくりサイコロ……1~6で好きな出目を出す」
「スター土管……スターが配置されている場所へワープする」
「電話……仲間を呼ぶ」
「たつまき……指定した相手から5~10コインを奪う」
以上である。このザ・シンプルな内容だ。さすがにまだ見ていないアイテムがあると信じたいけれど、これでゲーム中に登場するアイテムは全てだったらどうしようとものすごく不安になっている。
前作まで「追加でサイコロを振る」という効果だった出目増加系のアイテムが、増加する値を固定したことは運の要素を薄める良い物となっている……ように見える。この点については後述。
毒キノコについては、説明文を見かけただけで誰も実際に使用はしなかったので、もしかしたら見間違いだったんじゃないかと思っている。正しくは「相手全員の出目を-2する」なのではないかと、思っているというよりは信じたい。
だってもし効果対象が一人だけなら、毒キノコ使ってその一人を出し抜くより、普通にキノコを使って三人全員を出し抜いた方が明らかに強いからだ。が、仮に効果対象が全体だったところで、わざわざ自分の加速を差し置いてまで他人を減速させたいタイミングって、マリパ8仕様の今作にどのタイミングであるんだろうって話になる。ここはまだ全てのマップを遊んでいないので、マップごとに毒キノコについての感想は変わる説を信じたい。
なお、今作のアイテム入手方法は「通過するだけで使えるショップ」と「止まることで効果が出るアイテムマス」の主に二種類になっている。マリパ8はショップどころかもう一方の入手方法も停止ではなく通過が条件だったので、出目が大きい者の有利を加速させていたが、今作ではそのあたりバランスが取れていると言える。そう、この点だけを見れば良調整だ。
さてそろそろ新アイテムである「電話」についての説明をするためにも、話を次の段階に進めよう。
☆仲間を呼ぶという新システム
今作では「仲間マス」に止まることで仲間が増える。増えるとどうなるのかというと、その仲間のキャラサイコロを使うことができるようになる。それも一度きりではなく何回でも、そしていつでもだ。要は単純に選択肢が増えることになる。
さすがに誰が仲間になるかはその都度ランダムで決まるので、例えばチョロプーみたいな低性能キャラが仲間になったりする時もあるだろうけど、なんと仲間のシステムがもたらす恩恵は「サイコロの追加」だけでは終わらない。
自分がサイコロを振って進む時に、なぜか仲間もサイコロを振ってくれるのだ。毎回、何のデメリットもなく、出目をプラスしてくれるのだ。
さすがに、どうやら仲間が振るサイコロは6面ではないらしく、1プレイでは出目「1」と「2」しか確認できなかったが、仲間を獲得すればその後ずっと出目に少なくとも+1されるというのはあまりにも強力すぎる。チョロプーのキャラサイコロの時にもちょろっと言ったけれど、1マスの加速はこのゲームだと非常に価値が重い。
選択肢は増えるわ勝手に出目が加速するわで、とにかく仲間を得ることが今作において非常に強力な要素となっている。というわけで先のアイテム説明で書いた「電話」は、序盤の最強アイテムだと思われる。(終盤はスター獲得に対して即効性のあるスター土管の方が強い。仲間システムはあくまで時間をかけてアドバンテージを増幅させていくシステムと言える)
☆コイン供給のインフレ、要求のデフレ。
今作で間違いなく一番まずいポイントがこれ。この改変、いや改悪が、このゲームのすごろくをゴミに化けさせている。
各ターンの終わりに行われるミニゲームでの成績によって各自にコインが支給されるわけだが、まずは供給されるコインの量を見てほしい。
「1位……10枚」
「2位……8枚」
3位が4枚だったか2枚だったか忘れたが、ビリが1枚ももらえないことは確かだ。が、問題はそこではない。2位がもらえる枚数が何よりまずい。忘れているもしくは知らない人のために言うと、マリパ8のミニゲームで得られるコイン枚数は、
「1位……10枚」
「2位以下……0枚」
である。プレイヤーに配られるコインの総数で言えば、今作は過去作の倍近い量のコインがばらまかれているのである。平成最後のマリオパーティにおいて、まさかのバブル到来である。
コインが入手しやすくなったということはアイテムショップでアイテムを買ったり、そもそも原則コインと引き換えに入手するスター(勝敗を分けるポイント)を手に入れやすくなったということである。これだけでも良く言えば家庭向けなり、悪く言えばミニゲームに勝利することの価値が下がったわけだが、問題はここではない。
次に、アイテムやスターの値段を見てほしい。
「スター……特定の地点でコイン10枚と交換」
「キノコ(出目+3)……コイン3枚」
「金キノコ(出目+5)……コイン5枚」
「スター土管(ワープ)……コイン10枚」
はい、知らない人と忘れている人のためにまたマリパ8でのスターやアイテムのお値段を見せよう。
「スター……原則20枚」
「ダブルサイコロ……5枚」
「トリプルサイコロ……20枚」
「スター土管……存在しません!」
お分かりいただけただろうか? コインの供給量は倍近くなっているのに、スターの値段は半額になっているのである。コイン(つまり金)の価値の暴落。子どもが札束を玩具にする時代が来たのだ。
今作においてコインの価値は暴落した。ミニゲームで少なくとも2位以上になり続ければ、全10ターンのゲーム中でマスの効果なども合わせて80枚近いコインが手に入る。その中からスター10枚、スター土管10枚、金キノコ5枚に割り振ることができる。
1ゲーム中に金キノコを十個使っても、つまりゲーム中の出目を合計で+50しても、まだスター3つ分のコインが残る計算になる。当然毎ターン途切れることなくショップやアイテムマスに止まることはできないので金キノコ10個という前提はあり得ないが、それはつまりミニゲームで2番手の位置をキープできれば、大幅にコインが余るということである。
ミニゲームで常に2番手以上でいることがそんなに簡単にできれば苦労しないのだ! と言いたくなる人がいるかもしれない。けれどもよく思い出してほしい、仕様上の「前作」と呼べる関係にあるマリパ8において、2番手とは3位以下と何も変わらない敗者だったのである。それがこの変わりようである。
実際には、様々なジャンル(完全な運ゲー含む)が存在するミニゲームにおいて、順位が毎度同じプレイヤーで固定されることはない。つまるところ全体量で言って有り余るほどのコインが、ミニゲームの実力に忠実とはいえいくらか均等に近くなるように、それぞれのプレイヤーに分配されることになる。
すると終盤、ゲームは崩壊する。よほどミニゲームの勝率が偏らない限りコインを余らせたプレイヤーが複数発生し、ショップを通るたびにスター土管を買ってはスターを獲得する無法地帯と化すのだ。
もちろんショップだってそこらじゅうに転がっているわけではないので、またここで大きな出目を出すことが重要になって来るのだが、そこで前述の仲間システムが活躍したりする。どう活躍するのかといえば、仲間を得る方法が「特定のマスに停止」「特定のアイテムを使用」である以上、確実に100パーセント仲間を得る方法はないので、幸運な者が不運な者とさらに水をあけることに大活躍してしまう。
また、コインの価値が下がるということはミニゲームの勝敗の価値も下がるということである。河川敷に行ってコインで水切り遊びをするような時代が来てしまった今作マリパにおいて、ミニゲームの価値は過去最低だと言えるだろう。それはつまり実力要素の弱体化であり、運ゲー要素が強まりすぎてしまうことを意味している。
コインが足りなくてスターが取れないという時代は終わった。アイテムを買うとスターの分のコインがなくなるという時代も終わった。アイテムをチェックポイントで入手できなくしたのは良調整だったけれど、結局仲間マスという強力すぎる運要素を出してしまったせいで、大きな出目(or仲間マスに止まれる出目)を出した者が大体勝つというゲーム性になってしまった。
しかも、である。コインの価値が死んでいるということは、コインがプラスされるメリットの価値が低いことと同じように、コインがマイナスされるデメリットもまた大した物ではないということになる。
テレサのキャラサイコロを思い出してほしい。
「テレサ……「5」と「7」の出目が2面ずつ配置されており、残る2面は「コイン-2」(出目「0」にコインを2枚失うデメリットも付く)となっている。」
コインの価値が限りなく無に近い今作において、テレサのキャラサイコロにおけるデメリットは「足の速さが重要なゲームで出目「0」が2面もある」ということとほぼ同義になる。マイナスされる2枚のコインは、食べきれずに冷蔵庫の中で腐っていく食物程度の価値しかないからだ。
ところで算数の話になるけれど、出目の平均を考えると、
「(0+0+5+5+7+7)÷6=?」
「(1+2+3+4+5+6)÷6=?」
この場合、どちらのサイコロを振ればより多くのマスを進むことが期待できるだろうか?
もちろん仲間マスに止まれる出目を狙いたい時などがあるだろうけれど、それでもとりあえず、ぶっ壊れとまでは言わなくとも強キャラは一人発見されたわけだ。
と、キャラ性能についてのことはいったん置いておくにしても、今作はマリパ8の仕様に数年ぶりに戻ったわけだが、そんな今作はその8の頃から、残念なことにほとんど成長していないと言わざるを得ない。
ミニゲームの勝敗に重みがあった分、まだ8の方がマシだったまであるくらいだ。特にコインの価値が暴落したことについては、本当にテストプレイをしたのか、これで「正解」だと本気で思ったのか、開発者を問い詰めたいところである。
コインの価値がまともに重ければ、ミニゲームの重みだって増して運と実力の要素が上手く混ざり合ったかもしれないのに。テレサのようなキャラのバランスだって良くなったかもしれないのに……。
・まとめ
ぼくはマリオパーティ8をクソゲーだと言った。その理由はこうだ。
「大きな出目を出せば出すほど、前に向かって走れば走るほど有利なゲーム性だが、ミニゲームの勝敗が出目に直結しないので運の要素が強すぎる」
……まさか、ミニゲームの勝敗が出目に直結しないどころか、何にも結び付かないなんてことになるとは思わなかった。
我が家はビリがその日風呂を洗うという罰ゲーム付きでマリオパーティを遊んでいるので「ビリを避ける」ことが第一目標となっているが、それがすごろく全体での勝敗についてだけではなく、毎ターン行われるミニゲームにも同じことが言えるようになるとは思わなかった。
ミニゲームでビリにさえならなければコインは十分入ってくる。むしろ1位と2位の差なんかほとんどない。ゲームは10ターンしかないのだ。多すぎるコインに大した意味はない。ミニゲームでは1位も2位もほとんど同じなのだ。3位だって悪くはない。次のミニゲームで2位以上に上がることができれば、もうスターを取れるだけのコインが得られるのだから。
新作マリパは、1マップ遊んだ限りで言うと、普通にクソゲーだと思う。マリパ8よりひどいかもしれない。
何を1マップ遊んだだけで、と言われるかもしれない。確かにマリパ10なんかはマップが進むごとに面白くなっていた。けれどもそれは「面白いギミックがある」という話だった。ギミック以前にコイン関係のバランスが崩壊している今作が、本当にマップが変わるだけで面白くなるのだろうか?
スターがコイン20枚と交換になれば少しくらい違って来るのかもしれない。アイテムが安いままでも、10ターンしかないゲームの中で「ミニゲーム1位一回分のコイン」が値上げされるだけで、ゲームバランスはだいぶマシになるのかもしれない。
けれども、ちょろっとネットで調べたところ、最後のマップを除いてスターの相場は変わらないらしい。仮にその最後のマップが面白かったとして、1マップしか面白くないゲームという時点で、もうそれはそこそこ立派なクソゲーである。語り継ぐほどのクソではなくても、まぎれもなくクソゲーである。
バッシングする箇所は悲しいことに他にもある。8の時点で各種演出が長すぎてテンポが悪いと言われて9以降は確実に改善していたのに、今作はまた8並みのテンポの悪さに戻ってしまっている。なぜ悪いことばかり引き継ぐのだろう。
……と、このあたりで新作マリオパーティの評価、もといバッシングは終わらせておくことにする。
腐ってもマリオパーティなので、このゲームにももちろん良い点はたくさんある。操作性がクソだった8の頃とは打って変わって、今作のミニゲームは普通に面白いし、何やら協力型の楽しいモードがすごろく以外にあるらしい。だから「買うな」というレベルのクソゲーではないのだ。ただ、マリパ9の頃のようなゲームバランスへの感動を求めると、悲しみのみが残るというだけのことで……。
期待した分だけ大きな悲しみが残り、ぼくは思った。そういえばマリパ8はwiiで初めてのマリオパーティで、今作もスイッチで初めてなのだから、「新機種で初めてのマリオパーティ」という点は共通しているのだなと。
そして一番面白かった9はwiiの2作目。悪くないけど9と比べると……といった感じだった10がwiiUという「新……機種……?」みたいな機種で初めての(そして最後の)マリオパーティだったことを思えば、やはり「新機種のマリパは比較的クソゲー」という法則があるのではないか? と思えてくる。
ならば、いつかスイッチで次に発売されるマリオパーティは、かつての9と同じような数々の改善点と感動を持って来てくれるはずだ。
その日をきっと来る。新作マリパの全てに絶望したわけじゃない、たかがすごろくの出来一つだ。いつまでも悲しんでいないで明るい未来を夢見て、その日を待とうじゃないか。
俺たちのニンテンドースイッチは、まだ発売したばかりだ……!
↓ この作文の続編 ↓